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施工例

タイルの駐車スペースが経年の水アカで黒ずんで

30年来の「水垢の層」でタイルが黒ずんで

建物のエントランスや駐車場は、いわばその建物の「顔」です。しかし、どれほど堅牢で美しいタイルを選んでいたとしても、三十年という長い歳月は、無情にもその表情を覆い隠してしまいます。今回は、築30年以上の物件において、駐車場の車止め付近に堆積した、極めて厄介な汚れの除去プロセスについて、専門的な視点からご紹介いたします。


【現場の状況】車止めに潜む「汚れのトラップ」

写真1枚目の施工前(テスト施工中)の状態をご覧ください。今回の現場で最も深刻だったのは、駐車場の車止め付近でした。 通常、屋外の床面は雨水が流れるように絶妙な傾斜(水勾配)がつけられていますが、車止めの設置場所や構造によっては、どうしても水が逃げ場を失い、滞留してしまうポイントが生まれます。

一度雨が降ると、そこに溜まった水が蒸発し、残されたミネラル分が砂埃を巻き込みながら固着します。これが何度も繰り返されることで、単なる汚れではない「黒い水垢の層」へと変貌を抜遂げるのです。30年分蓄積されたその汚れは、砂埃と水垢が複雑に混ざり合い、もはや石材の一部かと思えるほど強固な層を形成していました。

【信頼への第一歩】「本当に落ちるのか?」に応えるテスト施工

こうした長年の汚れを目の当たりにすると、お客様が最も不安に思われるのは「本当に元通りになるのか?」という点です。石材やタイルのメンテナンスは、言葉で説明する以上に結果がすべてです。

そこで私たちは、本格的な施工の前に「テスト施工」を実施することがあります。
一部の範囲を実際に洗浄し、タイル本来の色味がどこまで戻るかを目視でご確認いただくプロセスです。
今回も、目地に沿って四角く浮き上がった「本来の石の姿」を見て、お客様は驚きとともに本施工へのゴーサインをくださいました。
この「納得感」こそが、欠かせないステップであると私たちは確信しています。

タイルを傷めず、汚れだけを抜く「酸性洗浄」の極意

水垢の正体はアルカリ性の物質であることが多いため、その除去には「酸性洗剤」の使用が不可欠です。しかし、ここには専門知識を要する繊細な手順が存在します。

  1. 水打ち(プレウェット): いきなり乾いたタイルの表面に酸性洗剤を塗布することは厳禁です。洗剤がタイルの奥深くまで急激に浸透しすぎると、素材を傷めたり変色の原因になったりするため、まずはたっぷりの水でタイルを湿らせ、洗剤の反応を表面だけに集中させる「クッション」を作ります。

  2. 洗剤塗布とポリッシャー洗浄: 適切な希釈率の洗剤を塗布し、機械(ポリッシャー)を用いて洗浄します。

  3. 手作業による「追い込み」: 機械だけで落ちない頑固な箇所は、ケレン(金属のヘラ)や硬度の高いパッドを使い分け、タイルの表面を傷つけない絶妙な力加減で、層になった汚れを一皮ずつ剥がすように擦る作業を繰り返します。

【施工完了】蘇ったタイルの重厚感

写真2枚目の施工後をご覧ください。重く沈んでいた床面が、見違えるほど明るく、タイルの深みのある色合いを取り戻しました。

石材・タイルメンテナンスは、単なる「掃除」ではありません。三十年という時間を巻き戻し、資産価値を再構築する「リノベーション」になりました。

お客さまにも喜んでいただけて良かったです。

タイルの駐車スペースが経年の水アカで黒ずんで
1.タイルのテスト洗浄部分 

1.タイルのテスト洗浄部分 

タイルの駐車スペースが経年の水アカで黒ずんで
2.タイル床水アカ除去後

2.タイル床水アカ除去後

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