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お客様インタビュー

一級建築士 西澤 伸 様

竣工して9年、いまだノーメンテナンスで外壁の美観を保てています。
K&Sさんが理想とする最高の石材保護コーティングを行いましたが、
まさかこれほどの効果があるとは思いませんでした。

ZERO一級建築士事務所 ⁄ 西澤建築設計工房
代表 一級建築士 西澤 伸 様

一級建築士 西澤 伸 様

一級建築士として戸建ての住居からアパート、マンション、オフィス/商業ビルまで、幅広く建築設計を手掛けられる、ZERO一級建築士事務所代表、西澤伸一級建築士。

「どんな仕事であっても、自分にできるならすべてやります。」

そう語る西澤先生とケイアンドエス堀内の出会いは、2006年、今から9年前にさかのぼります(取材時2015年1月)。

外壁に大理石を使用する代官山のテナントビルの案件で、「石の美観を長く保つために、建築としてできる最大限のことを」と実施した、石貼り前の製品塗布(浸透性の保護材の塗布)。
その処理剤塗布の施工を担当したのが、ケイアンドエスでした。

今回のインタビューでは、ビル建て替え当時のケイアンドエスの仕事と、その後、施工したビルの外壁の美観がいかに保たれ、施主であるビルオーナー様の事業に、いかに貢献できたかについて、西澤先生に忌憚なく語っていただきました。

「信頼できる、仕事の丁寧な施工業者さんですよ」と紹介を受けた

― まず、ケイアンドエスを知られたきっかけについて教えてください。

一級建築士 西澤伸先生

西澤先生 代官山のある商業ビルの案件で使用した、石材保護の処理剤の業者さんからご紹介をいただいたのが最初です。

オーナー様がそれまで長くご自身の商売をなさっていたビルを、テナントビルに建て替える案件でした。
設計上の要件としては、まず美観が最優先でした。
その上、テナントに入ることが決まっていたのがある、フランスの企業だったこともあり、ヨーロッパの旧市街で目にするような、美しい大理石を外壁にも貼って使用することにしたんです。

ただ、ヨーロッパと違って、日本では年中雨が降ります。採用を決めたのはライムストーンという、石灰岩の大理石です。
事前に、その大理石が実際に使用されている建物を見て廻ったのですが、見に行ったビルはどれも、かなり汚れが目立つ状態でした。

テナントビルに建替えた後も、オーナー様が10年、26年、30年と、長く収益を上げ続けられなければ「事業」としては失敗です。
テナントビルとしての価値は、建物の外観・美観で決まりますから、外壁の大理石の汚れを防ぐために、何らかの処置をしなければならないな、と考えました。

そこで外壁の石材に、汚れ防止の処理剤を塗布することにしました。
ある重要文化財にも使用されている処理剤を採用したのですが、その製品の供給元の会社から、「信頼できる、仕事の丁寧な施工業者さんですよ」、ということでご紹介をいただいたのが、ケイアンドエスの堀内さんだったんです。

「ケイアンドエスさんがベストと考える施工をして欲しい」

― 最初のお打合せでのご印象はいかがでしたか?

西澤先生 まず技術論の面で、ケイアンドエスさんが、実際に多くの現場で経験を積んでこられたプロであることは、ご相談してみてすぐに分かりました。

一級建築士 西澤伸先生

代官山の案件では、交通量も多い立地だったこともあり、「外壁の大理石の美観を長く保つために、設計としてできることはすべてやろう」、という方針を立てていました。
使用する大理石に対しては、手間やコストがかかっても、考えられる最高の処置をしたい、というのがこちらの希望でした。

ケイアンドエスさんは、石材メンテナンスの専門家として、「どんな条件の現場で、どの石材を、どのように施工をすると、経年後、どのような結果になる」ということを、現場での経験上の知識としてご存知です。

処理剤の使用方法には、もちろんメーカーとして推奨する手順もありました。
ですが、お打合せの結果、メーカー推奨の使用手順に従う、というだけでなく、さらに「堀内さんがベストと考える施工を行っていただこう」と決めました。

手間とコストに十分見合う効果があると確信できた

― それは大変なご信頼ですね。お打合せの席で、何か決め手になったことがあったのですか?

西澤先生 そうですね・・・建替えや新築の時に、貼る前の石材に施しておくべき処置について、「こうあるべき」という理想を語っていただいた、そのお話しぶりですかね。

一級建築士 西澤伸先生

それが営業トークとして語られたことなのか、実際に日々現場に行かれている方が、経験を通して行きついた理想として語られたことなのかは、やっぱり雰囲気で分かるじゃないですか。

ケイアンドエスさんが、色々な現場でクリーニングや石のトラブルの解決に当たって来られたご経験を元に提案やアドバイスをくださっていることは、初めての打ち合わせでも、よく理解できました。

― 具体的には、どんな施工の提案があったのですか?

西澤先生 まず貼る前の大理石に、1枚1枚、表と裏の両面に、交互に2回ずつ、処理剤を塗布します。
そして床や外壁に貼った後にも、もう1度ずつ塗って仕上げる、という施工内容でした。

ただ、一般的な設計・建築の現場では、こうした「石を貼る前に2回塗る」という施工の実施は、コストの関係でまず不可能です。

一級建築士 西澤伸先生

さらに言えば、ご提案いただいた内容は、「透明な処理剤を、石の表面だけでなく、貼った後には見えない裏面にまで塗る」という作業です。
これは「美観を損なわない範囲で極力コストを抑えて建てて、竣工時に綺麗な状態で引き渡せば終わり」と考えられている一般的な現場では、まず間違いなくカットされてしまう施工内容です。
大変な手間と時間がかかる上に、しかも竣工時には違いが全く分からないような作業なわけですから。

ただ、ビル経営の事業としての収益性を、10年スパンで考えた時に、その手間とコストに十分見合う効果があると確信できました。
またこの案件では、オーナー様に対して、竣工後も含めて最大のパフォーマンスを上げることのできるご提案を行い、聞き入れていただける状況にありましたから、迷いはありませんでした。

お打合せを終えた時には、堀内さんの助言を100%実現できるように段取りを組んで、施工に当たっていただくことを決めていました。

細かな配慮と気配りに感じた、現場に対する想い

― 施工時を振り返られて、何か印象に残っていることはありますか?

西澤先生 まず現場に運び込まれてラックに積んである大理石を床に広げて敷き、処理剤を塗布していきます。それらをまた1枚ずつひっくり返して塗り、それを表裏両面、2回ずつ塗るわけですが、これは本当に大変な作業なんです。

2006年当時の、石材製品塗布の作業風景。表裏両面を2回ずつ塗る、根気のいる作業。

2006年当時の、石材製品塗布の作業風景。表裏両面を2回ずつ塗る、根気のいる作業。

しかも着工から竣工までの期間が3ヵ月しかなく、とても短い工期の中での施工でした。
現場には30社あまりの業者が入れ代わり立ち代わり出入りしますし、そうした状況の中でうまく段取りを組んで、あれだけ面倒な作業を行っていただくのは、本当に難しいことだったと思います。

ですが、各種の作業に入るタイミングや作業スペースなど、ケイアンドエスさんの作業の前後で直接関わりのある業者も、そうでない業者も含めて、細かな気遣いや配慮をしていただけました。
そのお蔭で現場が、とてもスムーズに進行しました。

受け持っていただいた施工範囲が完了したその後も、経緯をフォローしてくださっていました。
石屋さんに任せた施工についても、暇さえあれば現場に顔を出して、見に来てくださって。
現場に対する想いを感じましたね。

2006年当時の作業風景。石材を十分に乾燥させてから、保護コーティング剤を塗布して行った。

2006年当時の作業風景。石材を十分に乾燥させてから、保護コーティング剤を塗布して行った。

もう一つ、よく覚えていることがあります。

石は水をかけながら切りますので、現場に運び込まれた時点では、多くのものはまだ湿った状態ですが、処理剤を塗布する際には、乾燥した状態の方がよりしっかりと薬液が石に浸透します。

ですので、石をよく乾燥させてから塗った方が良いのですが、通常、これは石材の納入業者である石屋さんが気にするべきことであって、ケイアンドエスさんにお願いした、石材の処理業者さんの範疇ではありません。

そうした中、ケイアンドエスさんは、「乾燥が不十分な石材がないか?」というところまで気にしてくださっていました。
パレットに積んである、何百枚もある石材の裏表をチェックして、湿っているものがあればバーナーで乾かす、という手間までかけてくださって・・・、工期も短い現場で、普通だったらできない作業だったと思います。

竣工して9年、いまだノーメンテナンスで美観を保つ

― 竣工してその後、保護コーティングの効果はいかがでしたか?

西澤先生 今年で竣工してからちょうど9年が経ちますが、実はいまだに、一度もクリーニングしていないんです。

ビルを設計した当初は、「石材の汚れを除去するクリーニングを1年ごとに、保護コーティング剤を再塗布するメンテナンスを2年ごとに実施する」と計画して、それらのコストをかけても十分採算が合うように事業プランを立てていました。
ですが、今日に至るまで、建物の外壁の美観として、十分に美しさを保ててしまっているので、オーナー様の側でクリーニングを実施する必要なしとして、石材に関しては竣工時のまま、何といまだにノーメンテナンスで来てしまっているんです(笑)。

もともと、始めのテナント契約での入居期間で採算が取れるように建築していますが、9年経ったその後も現在まで続けて更新されてます。
それに加えて、見越してあった石材メンテナンスの分のコストは丸々浮いてしまって、それらは当然、すべて収益として上乗せされている状態です。

一級建築士 西澤伸先生

ですので、一般的なテナントビル経営の事業収益の相場から考えらたら・・・聞いたらちょっとビックリするくらいの利益率ですよ。

石貼り前の処理剤の塗布は、テナントビルの収益性の向上に、当初の計画以上に大きく貢献してくれた結果となったわけですが、実を言うと、全く同じ処理剤を塗った同じ大理石を使っている建物でも、他の現場では、かなり汚れてしまっている建物が多いんです。

今回お話している代官山の物件は、あれだけの手間をかけて、ケイアンドエス堀内さんが理想とする施工を100%行った現場ですから、差が出るのは当然かもしれません。ですが、まさかこれ程の効果が得られるとは考えていませんでした。オーナー様にはかけていただいたコストの、何倍ものリターンがあったはずです。

これからも石材メンテナンスの理想を追い続けて欲しい

― 最後にケイアンドエスへのご評価と、今後期待することなどがありましたら教えてください。

西澤先生 クリーニングという仕事には終わりがありません。
「ここまでやれば良い」というゴールがない中で、ケイアンドエス堀内さんは、いつお会いしてお話をうかがっても、理想を求めて常に努力を続けていらっしゃいます。

いつでも「もっとこうした方がいい」と工夫や努力を重ねて仕事に取り組むご姿勢は、初めてお会いした9年前のあの日から、全く変わっていません。
お仕事をお任せすれば、常に精一杯のことをしてくださいますし、問題が起きたことがありません。

私としては、石材のメンテナンスに関して、もはや他の業者さんに頼む理由がありませんね。

これからも理想を追い続けて、より良い石材メンテナンスのクオリティを追及して行って欲しいですね。

取材後、西澤先生と。

― 本日はご多用の中、ありがとうございました!

取材日:2015年1月10日
(インタビュー・撮影 
K's WEB コンサルティング)